Googleの底力
- N. Hiro
- 2025年11月29日
- 読了時間: 3分
この記事を読んでの感想。(Facebookに投稿したものをリライトしました。)
Googleが独自設計のTPU(ASIC)で戦うという戦法、これはまさに「レベルを上げて物理で叩く」ではないだろうか。
そもそもASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)は数作らないと、儲からない。電子回路設計といえば、最近のトレンドはロジック回路の場合は100万個売るのでなければ、FPGA(field-programmable gate array)がコスパがよいし、ソフトウェア側で何とかなるなら、電子回路まで落とさずCPUで処理したい。使い勝手のいい汎用武器で戦うのは、数多くの難敵や敵の種類によっても戦力が落ちにくい。
しかし、専用武器(ASIC)はそれ専用のときのみ実力を最大限に発揮する。Googleさんが社内で消費できる量を大量につくる。社内で使う量を増やして、最終的に自社のAIサーバーを内製TPUで処理しちゃう。Googleのレベルが高い(資金力)、ゆえにできる戦い方。
多くのAI、LLM開発をしている会社が汎用な武器(エヌビディアのGPU)を器用に使うというのと、逆の話。これは最近になって、すこし潮目やフェーズが変わったともいえる。
使い勝手はいまいちで使いどころがわからないマニアックな、武器(TPU)をピンポイントで使う。これは、特定用途にクリティカルに効く。LLMやAIの世界は、現状では、エヌビディアのGPU(CUDA)を基本プラットフォームに使っているけれども、それがAIにとっての最適とは限らない。AI特化の専用設計プラットフォームが使えるのであればそちらのほうがいいに決まってる。
とは言え、AIがここまで急激に普及してくるとは、世界のほとんどの人が気づかず、エヌビディアの大躍進も、結果論。あくまでゲームやCAD、3DCGのようなベクトル処理にとって得意で便利なプロセッサにAIをやらせると、CPUより速かった!というだけ。で、エヌビディアはゲームやその他で儲けておいて、AIにも使いやすい機能を整備してた、AIが急激に普及して来たらバブルが来た。が、真理に近いのではないかなと。
一方で、GoogleはAI時代は確実に来ることを予感しており、AI処理特化のチップを作っていた。その証拠にTPUの初代はアルファ碁の処理につかわれたTPUだ。もちろん、世界一囲碁がつよいAIを作っても商売にはならない。ただしその際に、内部で構築されるノウ・ハウは表になかなか出ないから、ひそかに、確実にGoogleの技術力のレベルが上がっていく。
AI需要が急激に来たので、他のサービスがエヌビディアのグラボに課金して、課金ゲーム化しているさなか、もとより鍛えた独自TPUで余裕シャクシャクという感じかなと思う。しかし、現時点では途中経過。AI戦国時代の半導体の開発の戦いはどうなるのか、今後が楽しみである。
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