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N. Hiro

研究テーマについて

ここ最近,研究テーマについて考えてみることが無かった.忙しくて考える暇がなかったというのは怠慢である.いや,考えてはいるし論文も書いたので研究を進めていないわけではないのであるが,どうにも集中して研究の事だけを考えるということが出来ない時期が続いた.


結局のところ,先日,結構深いことまで議論した論文を書き上げて,はてさてどうしようかと悩んだのである.時は,年度末,自由になる研究費も底をつき,英文校正に出す費用もない.学会についてくる特集号の論文の締め切りは迫っていた.

4月以降の忙しさは目に見えていた,学会の委員長や幹事を引き受けて,プログラム編集員も当たっている.学内の業務もそれなりに慣れてきたとはいえ,充分な研究時間を確保できるかと言われれば,自信がなかった.そこで,英文校正も出さずに,ポイっと特集号で良いのか,共著者のみなさんに相談してみたが,まぁ,そこはそれ最終的に,私が決めればよいという話になった.当然である.


昔,インパクトファクターがいまほど蔓延っておらず,指導の先生のなんとなく良さそうな雑誌に出すというのが,本流であった.もちろん,Physical Review系やAPLといった物理,応用物理系では一流雑誌であって,ここに論文を出すのはステータスであった.IFにしてみればどちらも3程度の雑誌であり,いまやこれよりIFの高い雑誌はごまんとある.

それでも,PRBのフルペーパーはAPL5本分に相当するという,古き良き物理の教えをいまだにどこかで信じていて,PRBを書く物性物理の先生たちは本当に尊敬する.もちろんACSのJPCCやRSCのPCCPの方がIFは高い.それでもPRBに載るような,載せるような物理的に意味のある仕事をしたいと思っている.

そんなテーマに取り組めるだろうか?と考えたとき,先日だしたPhysica State Solodi(a)の論文の続きのデータとやり残した実験は,PRBに載せれるくらいの豊富な物理が残っていると思っている.それも,1本では済まない程度にはテーマが残っている気がしている.やるべきことはたくさん残っている気がするのである.


それでも,授業の忙しさや焦りに惑わされず,高IFの雑誌を狙えばよかったか?いやいや,リジェクトを食らって改訂でとなっていたら心はおれていたかもしれない.あまり論文のリジェクトは精神衛生上良くない.心がぽっきり折れてしまったら,仕事なんか手につかない.それでも,もっと価値のある仕事だったのではないかとも思う.論文をどこに出すかは,悩みは尽きない.

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